アンフェタミン類について

「アンフェタミン類」と聞いても、ピンとこない方の方が多いのかもしれません。簡単に言うとアンフェタミン類とは「覚せい剤」の名称の1つのことを指します。

覚せい剤には様々な名称がある。大きく分けて、アンフェタミン類覚せい剤メタンフェタミン類覚せい剤デキストロ・アンフェタミン類覚せい剤に分類される。

アンフェタミン類の中には、アンフェタミンをはじめ、「メタンフェタミン」や類縁の「メチレンジオキシメタンフェタミン」なども含まれます。

いずれも日本では「覚せい剤取締法」で規制される薬物です。どの薬物もアンフェタミンと類似した構造をもっていることから「アンフェタミン類」と総称されています。

アンフェタミン

アンフェタミンは主に石油に含まれる成分である、フェネチルアミンから抽出された成分で、見た目は白い粉末状であることが多いです。若者の間でマリファナに次ぐ使用率の高さとなっています。

アンフェタミンは、非常に中毒性が高い薬物です。アンフェタミンを使用すると興奮状態となり、疲労を感じなくなったり、食欲が減退したりするなど、一時的に身体機能を高めて多幸感をもたらすという特徴があります。

身体的な影響としては、瞳孔が開いて異常なまでに汗をかいたり、血圧が急激に上昇したりすることなどが代表的です。

アンフェタミンは薬物耐性が付きやすいという性質があるため、使用回数が増すごとに摂取量も増加してしまいます。

その一方で幻覚や妄想に悩まされ、突然暴力的な行動に出ることもあります。そして過剰摂取をしてしまうと、急激な体温上昇や血圧上昇、心臓発作や脳卒中など、命に関わる事態に陥る恐れもあります。

アンフェタミンは現在、アメリカをはじめとする諸外国で、ADHDの治療薬として標準的に使用されています。

日本でも戦前戦時中には、「アゴチン」という疲労をとる薬として販売されていましたが、現在は覚せい剤取締法により、一般の使用についての規制が強化されています。

メタンフェタミン

メタンフェタミンは麻黄という、漢方の成分であるエフェドリンから合成された薬物で、またの名を「クリスタル」「メス」と言います。

またエフェドリンは、スポーツの舞台における「ドーピング検査」に引っ掛かることが多い成分としても知られています。

アンフェタミンと効用がよく似ているメタンフェタミンは、現在も北米や東アジアで広く乱用されている薬物だと言われています。

日本では今でこそ規制されていますが、戦時中は「ヒロポン」という名で販売されていました。

メタンフェタミンと類似した薬物としては、安価で取引される「アイス」があります。透明な結晶が氷に似ていることから、その名がつけられました。

別名「スピード」「クリスタル」とも言われています。ハワイではコカイン中毒者と同じくらいのアイス中毒者が存在すると言います。

アイスはメタンフェタミンの中でも高純度の結晶であり、効果が強くて覚醒作用が長く続くのが特徴です。

しかし、アイスを長期的に使用することで凶暴化したり、臓器不全を引き起こすなど、重大な副作用が出ることも明らかになっています。

メチレンジオキシメタンフェタミン

メチレンジオキシメタンフェタミンとは、英語名である「Metheylen Dioxy Methamphet Amine」の頭文字を取り、「MDMA」とも呼ばれています。

メタンフェタミンと構造や効用もよく似ていますが、あらゆる薬剤を化学的に合わせてできた薬物であるため、「合成麻薬」という分類になります。

通称「エクスタシー」「アダム」とも呼ばれています。

MDMAを摂取すると、脳内物質であるセロトニンが過剰分泌され、幸福感に満たされます。身体的な変化としては、瞳孔が開いて皮膚の感覚が敏感になり、血圧が著しく上昇してきます。

その多幸感の一方で脳細胞は破壊され、記憶障害や幻覚に悩まされるというリスクもあり、危険視されています。

MDMAは耐性が付くことはなく、身体的な依存はそれほど強くはないものの、精神的に依存するリスクがきわめて高いのが特徴です。

かつてはアメリカを中心にPTSDの治療に使用されていました。しかしMDMAは、一度放出したセロトニンを受け入れないため、薬物の効果が切れると「うつ状態」になることが判明し、MDMAを治療薬として使用することは禁じらるようになりました。

現在では、ほとんどの国で違法薬物に指定されています。