日本薬物検査機構について

日本薬物検査機構は、行政や企業を対象に「乱用違法薬物検査」を行う民間の受託機関です。乱用違法薬物検査を行うことで、行政や企業が健全かつ安全であることの証明につながります。

検出できる薬物は、覚せい剤や大麻、コカインやヘロイン、アンフェタミン、フェンシクリジンなど多岐にわたります。検査の方法もさまざまで、尿検査や血液検査、毛髪検査、そして唾液検査が用意されています。

検査方法によって、検体の採取の方法や薬物を検出できる期間が異なってくるので、しっかりと吟味する必要があるでしょう。

日本では、違法薬物を取り締まる5つの法律が存在します。「麻薬及び向精神薬取締法」「大麻取締法」「あへん法」「覚せい剤取締法」「麻薬特例法」これらを合わせて「薬物五法」と言います。

このような法律が定められているにも関わらず、違法薬物の売買や乱用は後を絶ちません。

企業の従業員に対する薬物検査について

2019年現在の日本においては、民間企業の薬物検査実施に関わる法律はありませんが、薬物検査を行う際には、必ず従業員の同意を得なければなりません。これは個人情報保護法に基づいた判断であり、同意がない場合は薬物検査が実施出来ないという事になっています。

第17条 個人情報取扱事業者は、偽りその他不正の手段により個人情報を取得して はならない。

第18条 個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用 目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又 は公表しなければならない。

2 個人情報取扱事業者は、前項の規定にかかわらず、本人との間で契約を締結することに伴って契約書その他の書面(電磁的記録を含む。以下この項において同 じ。)に記載された当該本人の個人情報を取得する場合その他本人から直接書面 に記載された当該本人の個人情報を取得する場合は、あらかじめ、本人に対し、 その利用目的を明示しなければならない。ただし、人の生命、身体又は財産の保 護のために緊急に必要がある場合は、この限りでない。

引用元:個人情報の保護に関する法律

薬物検査を企業で実施する場合には、同意書の作成はもちろん、あらかじめ社内規則として薬物検査に関する項目の準備を済ませる必要があります。

あらかじめ社内規則で定めることによって、薬物検査に同意しない従業員が出てきた場合、従業員になんらかの処分(たとえば採用見送り、降格処分あるいは解雇命令など)を施すことも可能となります。

仮に、従業員の薬物検査で陽性反応が出た場合、刑事訴訟法第239条1項に「何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる」と記されるように、通報義務はありません。

日本薬物検査機構では「陽性か陰性か」という検査のみを行い、依頼主へ検査結果を通達するという体制をとっているため、通報することはありません。

薬物乱用者への対応としては、医療関係への相談が一般的です。陽性反応が出た場合にはまず、面談をおこない、本当に薬物を使用したのかということについて、医学的見地から説明されます。

面談時に「確実に違法薬物を使用した」ということが判明した場合、警察や医療機関への相談という形となります。薬物乱用者本人に治療の意思があるような場合、医師の判断のもと治療が施されることになります。

薬物検査の果たす役割

昨今の日本では若者を中心に、違法薬物の乱用が横行しています。これからの日本を支える若年層が、違法薬物に染まってしまうような事態は、ぜひとも回避されなければなりません。

そして、企業のクリーンなイメージを保つためにも、採用時から従業員の薬物検査を実施し、違法薬物の使用を受け入れないという姿勢を見せることは非常に重要なのです。

加えて薬物検査を定期的に実施することによって、採用後の抑止力としても、その効力を発揮されるでしょう。薬物検査を行う企業が増えていくと、自ずと違法薬物に手を出す人は減少していくことも予想されます。

薬物検査が義務化・推奨される対象

資格や職業によっては、薬物検査の実施とそれに関する医師の診断書提出を義務化しているところも存在します。また民間においても、薬物検査を実施する企業は年々増加傾向にあります。

企業に属した以上、薬物乱用は決して個人レベルの問題ではなく、企業全体の問題へと変わっていきます。企業におけるリスク管理の一環として、薬物検査は有効に働くのです。

また、薬物検査を義務とはされていませんが、社会インフラを担う職業において、薬物検査は推奨されています。

生活の基盤を担う社会インフラ業においては、地域住民の信頼は必要不可欠です。薬物による不祥事で信頼を失墜させないためにも、従業員に対して薬物検査を実施する必要があるでしょう。

そして学生も気軽にアルバイトととして従事することが多い、接客業やサービス業においても薬物検査は推奨されます。アルバイトやパートを多く雇っている分、従業員の入れ替わりが激しくなることがその理由です。

従業員の回転が速いからこそ、しっかりと従業員が管理できていないと、違法薬物使用者を採用してしまうリスクは高まります。

接客業やサービス業に限らず、従業員がよく入れ替わるような企業は、採用時の薬物検査、および定期的な薬物検査を実施すべきでしょう。

職員の違法薬物乱用による業務への悪影響

どの職業においても、違法薬物を乱用してしまうと、仕事の進捗率にも当然影響が出てきます。「薬物を使用して仕事のパフォーマンスが上がる」と言う考えをもって薬物を乱用してしまう人も居るようですが、それは勘違いです。

薬物の乱用は、それが長期化するにつれて副作用は強く出るようになり、身体や精神は蝕まれ、薬物に捕らわれた生活を強いられることになるのです。

そのような従業員が企業内に増えてしまうと、当然社内環境は不健全なものになり、企業イメージや経営自体にも大きく悪影響が出てしまいます。

薬物検査の広がり

違法薬物の存在は、決して遠いものではありません。意外に身近に潜む落とし穴です。より多くの企業が薬物検査を採用することで、自社内のみならず地域全体の健全化も促進されていくでしょう。

薬物乱用者の増加が懸念される現代社会において、今後、企業の薬物検査導入が一般化する可能性は非常に高いものと言えるでしょう。