違法薬物、規制薬物の一覧

近年、著名人が薬物所持・薬物使用の疑いで検挙されるケースが、増加している傾向にあります。

このようなニュースは決して私たちにも無関係ではなく、「昔よりも薬物が手に入りやすい状況なっている」ということを示しているものと言えるでしょう。

一言に「薬物」と言っても、種類はさまざまです。ここでは日本における違法薬物と規制薬物をご紹介します。

違法薬物

日本における違法薬物は、「覚せい剤」「大麻」「麻薬系(あへんやMDMA)」「向精神薬」「指定薬物」の大きく5つに分類されています。


下の表の「違法薬物の成分」が薬物検査で検出されると陽性となります。

違法薬物の成分 製造方法 主な用法
覚せい剤 メタンフェタミン
アンフェタミン
麻黄→エフェドリン→メタンフェタミン
石油→フェニルアセトン→アンフェタミン
静脈内注射
吸煙
経口摂取
大麻 乾燥大麻
樹脂大麻
液状大麻
大麻草(テトラヒドロカンナビノールの成分)
乾燥大麻→葉や花穂を乾燥させる
樹脂大麻→樹液を固める
液状大麻→大麻草から抽出
吸煙
麻薬 あへん
モルヒネ
ヘロイン
けしの実→あへん→モルヒネ→ヘロイン あへん→吸煙
モルヒネ、ヘロイン→静脈内注射
コカイン コカの葉→抽出→精製→コカペースト→コカイン 鼻から吸引
LSD ライ麦に寄生する麦角菌→麦角アルカロイド→リゼルギン酸→LSD
LSDは化学名リゼルギン酸ジエチルアミゾの略
舌の上に置いて舐める
MDMA
(通称:エクスタシー)
MDA
(通称:ラブドラッグ)
覚せい剤と似た化学式を有し化学薬品から合成
MDMA:メチレンジオキシメタンフェタミンの略
MDA:メチレンジオキシアンフェタミンの略
経口摂取
向精神薬 メチルフェニデート
ピプラドロール
ペモリン
興奮作用を有しナルコレプシー等の医療用途がある。 経口摂取
ブプレノルフィン
ペンタゾシン
レフェタミン
鎮痛作用を有し術後や各種癌などの各種鎮痛暖和の医療用途がある。
トリアゾラム
ニトラゼパム等
催眠鎮静作用を有し不眠症、麻酔前投薬の医療用途がある。
ジアゼパム
アルプラゾラム
精神安定作用を有し神経症等における不安、緊張の暖和の医療用途がある。
フェノバルビタール 抗てんかん作用を有し、てんかんの痙攣発作等の医療用途がある。
指定薬物 指定薬物一覧
規制薬物一覧
危険ドラッグ
脱法ドラッグ
脱法ハーブ等
吸煙
経口摂取
鼻から吸引

引用元:税関 Japan Customs

もっとも利用者が多いのは、今も昔も変わらず覚せい剤だと言われています。一つずつ、その特徴に触れていきましょう。

覚せい剤

「覚せい剤」は薬物の中でも最もポピュラーなもので、「シャブ」や「ヒロポン」に始まり、「スピード」や「エス」「アイス」などのように、さまざまな隠語が存在します。

白い粉末状であることが多いのですが、結晶状のものや錠剤のものまで出てきています。

摂取すると興奮状態となり、疲労を一切感じなくなります。また、妄想や幻覚も見えるようになっていきます。

効果が切れると脱力感に見舞われたり、妄想の影響で凶暴化したりする恐れもあるのが特徴です。

大麻

大麻には「乾燥大麻」「大麻樹脂」「液状大麻」の三種類に分類されます。

最も流通しているのは、乾燥大麻のマリファナでしょう。いずれの大麻も、吸煙によって取り入れられます。

大麻を使用すると幻覚作用が強く表れるほか、手足にしびれが生じたり、五感が鋭くなったりするものと言われています。

最近では「有毒性がない」などの俗説を信じ、大麻に手を出してしまうような若者も増えているようなので、注意が必要です。

麻薬系

「麻薬系」と呼ばれるものは種類が多く、これも「あへん系」「コカ系」「合成麻薬系」「幻覚剤」の4つに大別されています。

「あへん系」の麻薬には、モルヒネやヘロインも含まれています。モルヒネと言うと、医療用の麻酔を思い浮かべる人は多いのかもしれませんが、誤った使い方をすると、非常に恐ろしい薬物と化してしまうのです。

あへん系麻薬は、いずれも「けし」が元となっていて、基本的な作用は変わらないものの、接種方法や作用の強弱が異なります。

あへんは吸煙なのに対し、モルヒネやヘロインは注射器で体内に摂りこむという方法が取られます。あへん→モルヒネ→コカインの順に、強さは増していきます。

「コカ系」麻薬に分類されるコカイン、「合成麻薬系」に代表されるMDMAおよびMDAは、覚醒剤とよく似た作用を及ぼします。

コカインと覚醒剤との違いは「局部の麻痺の有無」であり、コカインは局部麻酔として医療の現場でも使用されています。

「合成麻薬系」に分類される薬物はその名の通り、化学薬品を合成して作られた「覚醒剤に近い化学式を有した薬物」となります。

覚醒剤同様気分を高揚させる効果がある他、体温や血圧の上昇、腎肝機能への影響や記憶障害が出る恐れもあります。

「幻覚剤系」の麻薬の代表として「フェンサイクリディン」、通称PCPが挙げられます。幻覚や妄想が激しくなり、乱用すると世間からの疎外感を覚えるようになると言います。

アメリカで大流行し、PCPが原因で精神科にかかる患者は、アルコール依存症に次いで多いとも言われるほどです。パセリやタバコ、マリファナなどにふりかけて煙を吸い、体内に摂取するというような使い方がされています。

ひとたび吸ってしまうと、PCPの作用によって痛みをあまり感じなくなってしまい、自傷行為を行ってしまう人も多いと言われています。

向精神薬

向精神薬は基本的に、精神科などの医療目的で使用されるものであり、興奮剤系と鎮静剤系の二つに分類されています。

心療内科で処方される、精神安定剤や睡眠薬などが代表的です。医師監修の下で使用する分には問題ないのですが、自己判断で病院通いを止めて薬だけを濫用しだした場合、薬物の使用が止められない…という事態に陥りやすいのです。

向精神薬を濫用すると、精神状態が不安定になってしまうことが多く、薬の効果が切れてくると妄想や幻覚に悩まされるのが特徴です。

指定薬物

指定薬物とは厚生労働大臣が定めた、使用すると人体に有害となるおそれがある薬物を指します。薬事法により所持や売買、製造や輸入は規制されています。

「危険ドラッグ」と呼ばれるものがこれに当たります。

厚生労働省ホームページ上では、2019年12月8日現在、69点もの指定薬物が掲示されています。

規制薬物

規制薬物とは、ここまで紹介してきたような法で規制されるような違法薬物や、それに類似した化学式をもつ薬物や、スポーツにおけるドーピング防止規定に引っ掛かるような薬物のことを指しています。

法医中毒研究会の発表によると、規制薬物は以下の10項目となっています。

番号 物質名 一般名(J) 一般名(E) 入手先
1 3-アセトキシ-6-ジメチルアミノ-4・4-ジフェニルヘプタン(別名アセチルメタドール)及びその塩類 アセチルメタドール Acety lmethadol
2 α-3-アセトキシ-6-ジメチルアミノ-4・4-ジフェニルヘプタン(別名アルファアセチルメタドール)及びその塩類 アルファアセチルメタドール
3 β-3-アセトキシ-6-ジメチルアミノ-4・4-ジフェニルヘプタン(別名ベータアセチルメタドール)及びその塩類 ベータアセチルメタドール
4 α-3-アセトキシ-6-メチルアミノ-4・4-ジフェニルヘプタン(別名ノルアシメタドール)及びその塩類 ノルアシメタドール Noracymethadol
5 1-〔2-(4-アミノフェニル)エチル〕-4-フェニルピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル(別名アニレリジン)及びその塩類 アニレリジン Anileridin
6 N-アリルノルモルヒネ(別名ナロルフィン)、そのエステル及びこれらの塩類 ナロルフィン Nalorphine
7 3-アリル-1-メチル-4-フェニル-4-(プロピオニルオキシ)ピペリジン(別名アリルプロジン)及びその塩類 アリルプロジン
8 エクゴニン及びその塩類 コカイン代謝物 Ecgonine
9 3-(N-エチル-N-メチルアミノ)-1・1-ジ-(2-チエニル)-1-ブテン(別名エチルメチルチアンブテン)及びその塩類 エチルメチルチアンブテン
10 α-3-エチル-1-メチル-4-フェニル-4-(プロピオニルオキシ)ピペリジン(別名アルファメプロジン)及びその塩類 アルファメプロジン

参照: 「法医中毒研究会 | 規制薬物」

これらの薬物は基本的に、医療目的など認められた用法以外では、決して使用すべきではないことは言うまでもないでしょう。