フェンサイクリジンについて

フェンサイクリジンは「麻薬及び向精神薬取締法」により、麻薬に指定される薬物で、幻覚剤の一種です。

もともとは外科手術の麻酔薬として利用されていましたが、重大な副作用が起こることが明らかになり、人間への使用が中止された薬物です。

しかしながら、フェンサイクリジンは非合法的に製造され流通し、アメリカの精神科においては、アルコール依存症に次ぐ患者数の多さとなっています。

フェンサイクリジンの通称名および形状

フェンサイクリジンは通称「PCP」「エンジェル・ダスト」「ラブリー」「ホッグ」と呼ばれています。薬物使用により引き起こされる悪夢のような幻覚、通称「バッド・トリップ」が起こってしまうことが多いとも言われています。

フェンサイクリジンの形状はさまざまで、液体状のものや、カプセル状、粉末状のものなどがあります。透明であったり、白く色がついていたりするものもあります。

フェンサイクリジンは、パセリやミント、マリファナやタバコといった、葉に「ふりかけて吸う」という販売方法へと変更したのを機に、一気に広まりました。

フェンサイクリジンの使用方法

使用方法には、フェンサイクリジンを水に溶かし、葉っぱに巻き込んで吸煙する方法や、錠剤で摂取する方法、静脈に注射する方法が存在します。

フェンサイクリジン入りのマリファナタバコは「ダスター」「キラー・ジョイント」と呼ばれており、コカインとの混合物については「ファイヤーボール」とも称されています。

フェンサイクリジンは接種方法によって、効果が表れるまでの時間や持続時間が異なります。

フェンサイクリジンを吸煙した場合は、5分以内に作用が始まり、15分から30分以内に効果のピークが訪れます。

錠剤で服用したり、食べ物や飲み物に混入させて摂取したりした場合、30分以内に効果が表れ、2時間後から5時間後にピークに達します。

静脈注射でフェンサイクリジンを摂取した場合、数秒で効果を発揮し、その効果は5時間から6時間もの間持続します。

フェンサイクリジンの効果

フェンサイクリジンの効果と副作用はさまざまです。かつて麻酔薬と使用されていたことからもわかるように、服用すると心身が離脱するような感覚にみまわれます。

幸福感が得られる一方で、少量の服用でも幻覚があらわれ、錯乱状態に陥ることもあります。

中程度の服用では、全身が麻痺したような感覚におそわれながらも、感覚が鋭敏になります。恐ろしい幻覚によりパニックを起こし、暴力的になるおそれもあります。

痛みに鈍くなるため、自傷行為を行うこともあります。また、過剰摂取した場合には、昏睡状態に陥ったり、心臓発作を起こしてしまったりするなど、死に直結するほど深刻な事態にもなりかねません。

フェンサイクリジンを常用した場合、フラッシュバック現象をはじめとする幻覚や、言語障害が発生するほか、記憶力の低下も感じるようになります。

肉体的な依存性はありませんが、精神的に依存してしまうことが多いのが特徴です。フェンサイクリジンの乱用者は、統合失調症とよく似た症状を発症する場合がありますが、これは「フェンサイクリジン精神病」と呼ばれています。

フェンサイクリジンを規制する法律および刑罰

日本においてフェンサイクリジンは、「麻薬及び向精神薬取締法」により規制される薬物です。フェンサイクリジンのほかにも、コカインやモルヒネ、MDMAなども対象です。

「麻薬及び向精神薬取締法」とは、公共の福祉の増進を目的として、薬物の生産および流通を規制し、薬物中毒者に対しては必要な治療を行うことを定めた法律です。

フェンサイクリジンを故意で所持していた場合や実際に使用して逮捕された場合は、7年以下の懲役が科せられます。

初犯であり、なおかつ少量の所持であった場合は懲役1年6ヵ月、執行猶予3年程度の刑に処せられます。再犯の場合、執行猶予はつきません。

フェンサイクリジンを大量に所持していたり、個人的に輸入などしていたりした場合には、初犯でも実刑判決が下る可能性がきわめて高いです。